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October 16, 2010

悪性インフレは来るのか

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左は、インフレ連動債(TIP)ETFの6か月チャート。

昨日金曜日に一服調整したとは言うものの、ここ1か月あまりの上昇率はいかにも急です。

FTは、「市場は短期的にはデフレ、長期的にはインフレを懸念している」と書いてはいますが、もとより短期と長期に明確な区別があるわけでもなく、ドルは売りながら債券も買い、と混乱が見られるのが実態です。

長期的なインフレ期待を示す指標と言われている米国10年債と30年債の金利差ですが、2週間前が1.31%、1週間前が1.36%、昨日のNY終了時点では1.42%と、着実に広がっています。

通貨の価値を貶めればリスク資産の価格は上がりますが、「価値」は変わっていません。
溢れたマネーは新興国へ流れ、アメリカの失業率を改善する実態的な効果は疑問です。

かつての円キャリーは世界的な過剰流動性の基となり、間接的にアメリカの住宅バブルを支えたと今では総括されていますが、このままドルキャリーを促進するような政策を続ければ、どこがバブルになるかは容易に想像が付きます。

経済合理性が政治的要請に屈服してしまうのは良くある事ですが、長い目で見ると、正論を排除したツケは必ずやって来ます。

今は中国もアメリカも、過剰に通貨安政策に依存しており、帝国にふさわしくない選択は、歴史から厳しい評価を受けることになりそうです。

日本が今、過去の円キャリーの反作用として円高に苦しんでいるように。

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