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October 20, 2010

東京電力の増資が終わった

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資金調達の必然性が低く、極めて評判の悪かった東京電力の増資。

<参考>
東京電力株8年ぶり安値、バークレイズは増資自体を疑問視

ブラックホール化する公募増資

本日新株が市場に出回り、一区切り付きました。

発行株式数は、1353百万株から228M株増えて、1580M株。(OA分除く)
ざっと17%の希薄化。

株価は公表直前日の2282円から1935円へと15%下落。
ほぼ希薄化率と一致しました。
(実際には公表以前からインサイダー気味に売られていたので、下落率19%が実態です)

電力株の場合、配当利回りが株価構成の大きな要因ですが、現在の年間配当60円が維持されるなら、今日の終値で3.1%。

60円配当のためには今後、税引き後利益が950億円必要。

H23/3期会社予想は、経常利益800億円、純利益100億円と全く不足していますが、これは「資産除去債務の計上」による一過性の特別損失が見込まれているためで、直近H22/3期の純利益は1023億円あります。

私も僅かながら公募に当選し、1843円で買って今日の寄り付き1935円で売却。
何もしないで5%の利益率。

今回の増資は、証券会社が手数料で儲け、投資家は空売りで儲け、新株で儲け、一見すると皆ハッピーです。

しかし、こうしたイージーな利益の発生は、東電の既存投資家、連れ安した他の電力株の投資家などの大きな負担の上に成り立っており、質的には極めて問題の多い増資であったと総括できそうです。

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