金融緩和は問題を解決するのか
金融危機で崩壊したのは信用でした。
その後は、米国民とイスラム、国民と政府など、様々な信頼関係も大きく傷ついています。
回復が遅い信用・信頼を修復するため、FRBが様々な不良資産を買い上げて金融緩和をするのは当然の対応策と考えられています。
世界の株価は日本以外概ね好調で、デフレ不安は押さえられています。
しかしながら、ドルの大量供給が、アメリカ政治最大の課題である雇用を期待ほど解決しないだろうことも明らかになってきています。
じゃぶじゃぶマネーは、失われた信用を回復するという困難よりは、既にある信用へと容易に向かいます。
しかし大手企業の資金は既に潤沢で、低金利に乗り換えるだけ。
家計は低金利で住宅を買い、富裕層は資産効果もあり、セカンドハウスや贅沢品を買い始めています。
資金があまる投資家は、新興国の通貨や株式、不動産を買っています。
日本の超金融緩和がアメリカの住宅バブルを支え、そして崩壊した道をなぞる様に、大量のドルが新興国通貨へ向かっていますが、市場は今のところ強い危機感は持っていません。
東海東京証券のチーフエコノミスト斎藤満氏はこう言っています。
「金利の世界は川と同じ。陸地に傾斜があるという前提で、高い方から低い方へ水が流れる。現在の日・米そして英国では、こうした傾斜をすべて押しつぶしたうえ、中央銀行が力づくで水を流している」
「あふれた水(過剰流動性)は、新興国市場に流入し、新たなバブルを形成している。川の流れという秩序を壊し、洪水が起きているが、こうした洪水の度合いがひどくなる前に、量的緩和を止めるべきだ」
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