ドルが下がれば価格は上がる
FRBの回答は6000億ドル。
市場は特に驚きのない追加緩和策を"素直に"好感。
株式、ユーロ、金、原油など全て上昇。
米国債券も、30年の長期債以外は買われました。
私も恩恵は受けていますが、「価値は変わらないのに表示価格だけが上がる」という感覚がこれほど強いのも初めてです。
要は将来のインフレを、先回りしてヘッジさせて貰っているだけなのかもしれません。
何でも見かけの価格が上がる中で、労働力はどうか。
株価が上がり、金利が低下して企業の資金調達が楽になれば、今まで1000万円で募集していた職種を思い切って1500万円にしようといった動きが出ても自然です。
一方、応募者が溢れているパートタイマーや非正規雇用者の給与を上げる必要はありません。
ありふれたモノの価格は変わらず、「レア」と付くような貴重なモノは、より高くなります。
結果として、低所得者は変わらない給与と上がっていく物価に挟撃されます。
私が銀行の融資窓口に出向けば、担当者は良い条件を出そうと精一杯競うでしょうが、巷のサラ金の貸出金利が下がるわけではありません。
金融緩和は、貸し倒れリスクを軽減するわけではないので、危ない人は何時でも危ないのです。
その意味で、金融緩和は二極化を助長しますが、それでもいつか景気が回復する時期を多少なりとも早める可能性があると信じられているため、やらないよりはマシ、という理屈が通ります。
政策決定者は常に有利な席に座っていますから、「俺たちが困っているのにお前は何もしないのか」という批判をかわすことを最優先に行動します。
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Comments
各国の弁護士とよく話しますが、ある米国弁護士はunhappyだと言い、中間選挙では民主党批判を受けるであろうと愚痴っていました。
米欧弁護士にはがっくりくることがしばしばですが、中韓のアトーニーは何カ国語も操り仕事っぷりも素晴らしい方が多いように感じます。
「レア」でさえ今までの「レア」からこれからの「レア」へ移っていく遷移の過程が進行しているように思います。
あくまで実感ベースですが韓国と言う国は侮れないように思います。経済、スポーツ、芸能、どれも剛速球の力技でストレートに勝負してくるイメージです。2050年のGDP per capitaでは韓国は2位という予想もあるようですが私の実感にも沿っています。
自分もアジアの「レア」について行きます(笑)
Posted by: Blue | November 06, 2010 12:32 AM
韓国企業の目標は、一にも二にも海外売上比率を高めることだ、という言い方をされるように、国民全体に外へ出る意欲が非常に強いことが韓国流のタフさに繋がっているように感じられます。
韓国の人口(48M)は、スペインやアルゼンチンを上回り、豪州の2倍強。
決して少なくはないのですが、隣国の日本や中国と比べると全く小粒なので、マーケットは外にある、だから競争は当然、となるのでしょう。
歴史的に見ると、日本による占領、朝鮮戦争による南北分断、アジア危機後のIMFによる支援という試練が逆バネとして機能しているようにも見えます。
Posted by: akazukin | November 06, 2010 07:34 AM