借金の後始末は続いている
今年を眺めてみるに当たり、昨年の年頭はどんなことを考えていたのかと振り返ってみたら、「債務の後始末」と書いていました。
この問題は全然解決していません。
2010年、世界最大の債務国がやったことは、ペーパーマネーを大量に刷って借金を目減りさせようとする作戦。
人々は、コモディティ、新興国通貨、国家より信用ある企業のエクイティなどへ逃避しました。
バーナンキが成功したのではなく、失敗すると考えて、少しでも信用ある資産にマネーが向かったのかもしれません。
いずれにせよ、米国は「元祖為替操作国」である中国に意見できなくなりました。
日本人は自分の貯金で自分の借金を遣り繰りし、いまだ他人に債務を押し付けていないことが評価され、円は買われました。
雇用回復の遅いアメリカ、結束にひびが入りかけているEU、ただ老化を待つだけに見える日本。
先進国は需要の飽和状態にあり、その間隙を縫って新興国が追い上げるという構図自体は変わりようがないように思われます。
新興国の発展には、「キャッチアップする権利」という正当性があるからです。
とはいえ、先進国が寄りかかるには、まだ新興国経済の規模は小さく、バケツに鯨。
成長性は不安定さの裏返しでもあり、波風の高い相場は続きそうです。
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