米国不動産は雇用次第?
WSJが年始に不動産事情を概観する図表を「Key to Real-Estate Rebound」という記事の中で乗せています。
タイトルの「RockyRecovery」は、よろめきながらの回復といったニュアンスでしょうか。
その下の文字部分は、
不動産市場は昨年やや明るさを見せたものの、持続するには雇用の回復が必要だ。
商業用不動産への投資は増えているが、2008年のペースには戻っていない。
となっています。
4つのグラフを順に見て行きます。
左上の赤い折れ線グラフは有名なケースシラー指数。
ピークから半分になって、ヨタヨタ状態。
もう一段下がっても不思議はなさそうな雰囲気です。
左下の棒グラフ。
上の濃い赤が差し押さえられた住宅の件数で、下の薄い赤が90日以上支払いが滞納している差し押さえ予備軍。
全体として5百万件が4百万件とピークは過ぎ、滞納物件数は減っているものの、差し押さえ物件数(濃い赤の高さ)は高水準。
新規滞納者の増加には歯止めがかかっているものの、これまでの抵当物件の売却は早く進まない状態と見られます。
右上の青い棒グラフは、上から、倉庫等の産業用、小売商業、オフィスの2008-10年の取引「単価」の推移です。
オフィスで見ると、2008年に259$が09年185$になって昨年202$。
2008年を100とすると、100→71→78。
3割下がってから1割戻った感じです。
2009年に買った人は、平均1割の利益。
経費等を考えれば、勇気が大いに報われたというほどでは無さそうですが、まあ損はしていない状態。
右下の緑の棒グラフは、売買された「ボリューム」です。
オフィスに関しては、100→30→50。
2009年の取引量は前年の3割と激減していた訳ですが、2010年は2008年の半分まで回復。
そもそも全体に渡り、2008年の状態に戻るという保証はなく、戻るにしても相当の時間がかかりそうです。
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Comments
はじめまして。
商業不動産の、
投資が増えてるんですね。
それはすごいと思いました。
私も投資してみようかな。
またきますね。
Posted by: まさる(FXセミナー講師) | January 09, 2011 12:21 PM
フランス人がマイアミを、中国人がカリフォルニアを買うなど、底値と見た海外マネーの動きがある一方、オフィスの空室率は全国平均で17.6%と歴史的な高水準で、建設投資額は2010年が2009年よりさらに8%減少といった暗い側面も紹介されており、正に弱弱しい回復局面といったところでしょうか。
Posted by: akazukin | January 09, 2011 01:41 PM
とても魅力的な記事でした。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
Posted by: 職務経歴書の書き方の見本 | January 14, 2011 09:34 PM
職務経歴書の書き方の見本さん、はじめまして。
ほとんど翻訳しただけのエントリーですが、お褒め頂き、恐縮です。
今後も宜しくお願いいたします。
Posted by: akazukin | January 14, 2011 09:47 PM