日米中の「じゃぶじゃぶ度」はどうか
昨年秋以降、インフレ対応で引き締めモードに入ったとも見られている中国ですが、現実のマネーサプライは増え続けています。
中国人民銀行のサイトに公開されているM2。
12月の伸び率は前年比19.7%と、政府目標の17%を上回りました。
中国当局としては、景気を冷やして批判を受けたくない、しかし土地バブルは抑え込みたい。
全体の金融緩和姿勢を維持しつつ、不動産に向かうマネー限定で締めにかかる方策を試行錯誤しています。
日米中、マネーサプライ(M2)がGDPの何倍かを計算してみると、昨年末時点で中国が1.8倍、米国は0.7倍、日本は1.7倍。
これだけ見ると、アメリカが一番「緩和していない」ことになりますが、これは実感と合いません。
何か「からくり」があるのでしょうか。
FRBは2006年以降、M3を信頼性に乏しいとして公表を中止しました。
左のグラフで過去の数値から推測すると、もし今M3があれば、M2の2倍くらいはありそうです。
だとすると実質は1.4倍くらいか。
そもそもマネーサプライの定義は国によって微妙に違います。
例えば日銀は長くM2+CDを基準として来ましたが、郵政民営化を機にM3へ移行。
これで計算すると、日本は2.3倍もあります。
日本ではお金が積んであっても動きが全く鈍いのだろうと思われます。
鈍いから積んでおいても大丈夫と言い換えるべきでしょうか。
経済がホットな中国、特に沿岸都市部でマネーを山積みしておくのは危険に決まっています。
不動産と食料品価格は抑えつつも元安を維持して景気全体は冷やさない、という見事なマクロコントロールを中国共産党は出来るでしょうか。
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