震災は日本企業をフィルタリングした
株を買うということは、出資を引き受けるという行為であり、その会社を支援するという本質を持っています。
ともすると投資家はその原則を忘れ、値動きだけを取る短期的トレードになりがちです。
特に日本株はバイ&ホールドで利益が出ない時代が長く続いたこともあり、ショートポジションが有効でした。
昨年10月の東京電力の増資がその典型です。
今になって思えば、極めて評判の悪かったこの増資が、東電の油断を象徴していたのかもしれません。
(参考過去記事:東京電力の増資が終わった)
さて、投資対象の選別という観点から考えると、今回の大震災は、我々に本当に必要な企業がどこかという指針を提供してくれたようにも思えます。
日本は資源を輸入し、エネルギーを維持し、貿易で外貨を稼ぐという基本形の中で、世界のサプライチェーンの中核たる強みを持っていることが確認されました。
必要な企業に資金を投入して発展を促すという、株式市場本来の機能に個人投資家も参加する。
この原則論を、今は大事にするべきであるように感じます。
こうして選別された企業は、震災以前よりも高値で取引されて全くおかしくありませんが、残念ながら日本経済全体の弱点は、今回の復興負担によって、さらに加速することになりそうです。
そのファンダメンタルを反映した円安が深刻化するなら、生き残れるのは「必要とされる企業」と、そのステークホルダーだけ。
そこに参加できない多くの凡庸な人々には、中東での底辺層と同じように、インフレで大きく苦しむ将来が待っているのかもしれません。
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