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April 10, 2011

景気悪化とインフレは共存する

少しマクロ的に日本の需給環境を考えてみます。

言うまでもなく、震災によるサプライチェーンの断絶で、供給能力に支障が生じています。
供給が細っているため、買い溜め等の一時的な需要増で、すぐにモノがなくなります。
我が家ではヨーグルトの確保に四苦八苦しています。

需要面では、自粛はもとより、何といっても電力不足により、消費意欲が落ち込んでいます。
特に旅行やレジャーなど、サービス関係の落ち込みは深刻で、TDLも休園中。
自粛はしない私も何となく気が重く、遊びに出かける日が減っています。

需給共に減少しているので、GDPは落ち込みます。
要するに縮小均衡です。

但し今後は、本格的に復興需要が発生します。

財源として国債の発行は恐らく避けられないものの、基本的に「金余り」ですから、市場で普通に消化可能と思われます。
日本人は株を売ってでも国債を買う国民ですから、急激な金利上昇には、まだ少し時間がありそうです。

10兆円規模とも言われる復興資金は、いわば巨大な買い占め需要の発生です。
ただでさえ不足している建設資材などは奪い合い。
価格よりも数量確保が優先し、早い者勝ち現象で局地的な物価高が起こりそうです。

インフレは円高なら緩和されますが、今の為替市場は円安一直線。
原発不安やドル安で原油の上昇も止まらないので、今後は輸入物価にも一定の上昇圧力が加わります。

なお、一部の話かもしれませんが、首都圏の大型SCでは、震災後の売上が前年並と聞いています。

レジャーなどの「不要不急」消費や百貨店の売上は減少しても、不安による買い占めや企業の備蓄需要などにより、身近なモノは結構売れているのかもしれません。

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Comments

全く同意見です。世界経済動向の考え方や投資重点については僭越ながらAKAZUKIN先生と意を一致することも多くいつも激励のように感じています。

今回の震災の直接被害者には本当に心痛むばかりで微力ながら寄付など応援させては頂いていますが、一方で、今回の東電&政府の対策には大きなショックを受けました。

なんといいますか、多少は淡い期待をしていたのですが、あぁこれは、典型的なドメスティックな集団だなぁという大きな落胆のようなものです。そしてこれが中枢にいるある種の恐怖心を覚えました。

AKAZUKIN先生もいろいろヘッジをかけておられるようで私も資産ヘッジはある程度かけているのですが、もっとも大事なわが身という資産を”セカンドカントリー”にフィットするようにより一層努力せねばと気持を新たにもしました。

Posted by: blue | April 10, 2011 08:55 PM

お気持ちは良く分かります。
「原子力発電は絶対安全だ」という中身が、これほど底の浅いものだったということは私にもショックです。
人間は自然の猛威をコントロール出来るなどという傲慢さを捨て、謙虚に「全ての機能が失われた時」を常に「想定」すべきだということかと思います。
金融においては、通貨の価値を貶めれば危機は解決する、という「想定」がいずれ崩壊するかもしれません。

Posted by: akazukin | April 10, 2011 10:03 PM

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