国家と国民の甘えた関係
グローバル化が進んだ90年代以降、低金利とペーパーマネーを刷る政策が通貨安によって交易条件を有利にするため、「じゃぶじゃぶ政策」が主流となりました。
閉じた世界では通貨高も好まれましたが、開かれた世界では「不況を輸出できる」通貨安が好まれます。
欧州は南欧の借金漬けに手を焼き、アメリカは政府債務の議会承認が取れず、日本は今年度の特例公債法に目処が立っていません。
こうした行き詰まりにも関わらず、FRBはQE3を否定していません。
日本がまだ「まし」なのは、自分の貯金の範囲内で借金しているからですが、それが「評価されて」円高になるという矛盾を抱えています。
「じゃぶじゃぶ」が当たり前で倹約する者が馬鹿を見る、というのが今の金融システムなら、いずれ巨大な時限爆弾が爆発するでしょう。
金(ゴールド)価格は、人間の愚かさの指標です。
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Comments
Goldの勢いはすごいですね。私は指をくわえて見ているのが精一杯です。
先週ある日経記事に目を惹かれました。新興国の国債信用力がついてきて逆に先進国の国債信用力が低下してきているといった趣旨のものでした。
先進国の需要不足、高齢化、甘え、etcから"不信"を担いうるだけの信用先がなく、原油や貴金属がそれを一手に引き受ける姿は、よく理解できるところですが、部分的には、新興国への信用バトンタッチをつなぐ一過性現象として説明できそうにも思いますがいかがお感じでしょうか?
発想が単純でお恥ずかしいのですが、少し前から、新興国債券Indexファンドを少しづつ買い進めています。新興国の金利動向、国債信用力傾向、経済発展に伴う通貨高etcをにらみつつ、かなり長期的スパンで積みましていこうかなぁと思い始めています。
Age of GOLDが続くのか?その先を担う新しい信用先が萌芽してくるのか?その辺のご見解をお聞かせ頂ければ嬉しいです。
Posted by: Blue | July 20, 2011 12:24 AM
金価格の中長期的な予想は困難ですが、そのファクターはさほど複雑ではありません。
FRBを代表に、景気が腰折れすれば紙幣を刷って解決しようとするアクションが続くのかどうか。言うまでもなく中国も人民元安方向に為替をコントロールしています。
もし世界の中央銀行が賢明で、ペーパーマネーの発行に一定の限度を設けてインフレを抑制しようと合意が出来るなら金はかなり魅力を失います。
もう一つの要素として新興国のゴールド好き(現物買い)があります。中国やインドは金が安くなれば喜んで買い、なかなか売りません。
一般論として、人間が賢く行動するだろうという方向に賭ける気にはなれませんし、新興国>先進国の構図は変わりそうにありません。
人間は愚かにも「じゃぶじゃぶ」するだろうという悲観と、新興国の経済発展という楽観と、両方の受け皿になっているのが金の強み。
「pax americana」の次は「金による平和」なのでしょうか。
Posted by: akazukin | July 20, 2011 08:17 AM
数年前からゴールドを少し持っていますが、利益確定するかどうか以前に、怖くて売れないというのが本当に正直な気持ちです。
でも本当のところ、ゴールドは利用価値がほぼゼロなので嫌いです。
原点に返って、資産を本質的な価値に投資するために農地を買い、最近農業を始めました。
早速腰と肩をいためて苦労しています。
Posted by: yamazakidog | July 20, 2011 05:32 PM
おっしゃるように、本来金融商品としてのゴールドはヘッジのために少し持っておくような性格のものだと思います。
それをメインに投資するファンドが持て囃されたりすること自体、人間の知恵が劣化していることを示すものだとも言えそうです。
農業は、よりピュアなコモディティであり、ジム・ロジャースも賛同すると思います。
私もセカンドハウスで家庭菜園をすることを目指しています。
Posted by: akazukin | July 20, 2011 07:27 PM