もう薬に頼れない世界経済
バーナンキ議長のジャクソンホール講演の内容は、QE3を温存。
経済回復のスピードが遅いことを認め、かつ必要以上に悲観的にならないように配慮された表現でした。
議長は、住宅市場の回復が遅いことにも触れています。
いわゆるサブプライムバブルの影響は、それだけ谷が深いということが再認識されます。
FRBはこれまで、大胆な金融緩和策によって市場の混乱を防いで来ました。
株価水準は、2009年3月にDOWが6400$台を付けた事を考えれば大幅に回復し、金融市場における信用崩壊を食い止めました。
実質ゼロ金利は銀行の収益を回復させ、ドル安は輸出を助け、株価は消費を下支えしましたが、あり余る担保物件は住宅市場の回転を阻害し、企業は先行き不安から雇用に慎重です。
これ以上の金融緩和は副作用が大きく、後は自力回復に任せるしかないというのが本音でしょうが、FRBのトップである以上、無い袖を振り続ける演技は職業上必要といったところでしょう。
グリーンスパン時代に当たり前になってしまった金融緩和による贅沢消費、大盤振る舞いの財政出動という刺激策はもう限界に来ました。
BRICSは成長すればするほど世界景気との相関性を高め、デカップリングは困難です。
今後、長期的に低成長時代が来るとしても、それはある意味「ドラッグ」を用いない、まともな成長スピードに戻るという健全化でもあります。
投資マネーは過剰なレバレッジを効かさない、堅実な利回り商品に回帰するしかないと思われます。
この記事が参考になりましたら BlogRankingに一票をお願いいたします。
Comments
そうですね、私も「先進国長期低成長」を基本路線に今まで以上に買い増し対象は「ディフェンシブ」にしていこうかなと感じています。
ただ時代の変わり目でこれからの「ディフェンシブ」とは一体何か?を見極めるのに苦労しています。個人的には「アジアを含む新興国・先進資源国の公社債」+「j-reit」をその候補としているのですがさて当たるかなぁといった感じです。
AKAZUKINさんは金銀にpostiveのようですが徒なover-doseをやめて低成長を甘受する気風になった時にこのペアーにどんな反応になるか怖くて私は全く手が出ないです(笑)。
Posted by: Blue | August 27, 2011 10:22 PM
成長する資産が少ないのに、投資マネーは腐るほどあるという状態が続きそうです。
コモディティは、PERや成長と関係ないストーリーで買えるところが人気の一因でしょう。
無論、バケツに鯨ですから危険は一杯です。
不動産も本来「誰の債務でもない」ので、個別には人気化の資格がありそうに思います。
Posted by: akazukin | August 28, 2011 07:33 AM