O社IRに抗議の電話が殺到
「O社IR室でございます。正確な対応をするため、この電話は録音させて頂いております」
「株主だけど、何やってんの。大損じゃないか!!!」
「大変ご心配とご迷惑をおかけしております。株価の回復のため、精一杯頑張る所存でございます」
「今日発表の資料を見たけど、ファイナンシャル・アドバイザーに対する支払いが明らかに高すぎるでしょう!!!」
「弁護士・会計士の意見を踏まえ、監査役会でも適法と認められております。何卒ご理解ください」
「じゃあ聞くけどねえ、2008年9月30日に発行されたジャイラス社の1億7698万ドルの優先株を、2010年3月に6億2000万ドルで買ってるじゃないですか」
「確かにそのように記載しております」
「僅か1年半で3.5倍。何でそんなに高くなった訳?」
「ジャイラス社の株式価値が、それだけ高く計算されたからに他ならないかと存じます」
「しかしねえ、平成20年2月1日のリリースによれば、2008年2月にジャイラス社はロンドン市場を上場廃止になってるわけだ。
上場廃止後に発行された優先株が1年半で3.5倍にもなったって、一体どうやって計算したっていうの?」
「非上場株についての所定の計算方法により、売主買主双方が出した数値の中間値で取引いたしました。当社の数値は第三者鑑定によるものと開示しております」
「あんたの話を聞いてると、ジャイラス社の価値がずいぶん上がったように聞こえるけど、2009年5月12日の「特別損失の計上に関するお知らせ」を見ると、ジャイラスに関連して前期損益の修正で155億円もの特損を出してるじゃない。そんな状況で、何で優先株だけは3.5倍もの価値になることが正当化されるわけ?」
「会計上の取得原価配分の結果と、当時公表しております通りでございます。ジャイラス社の前期損益を下方修正したとは記載しておりませんで、取得原価の結果的な減少が当社の損益修正として処理されるという表現でございまして、当該事実が優先株の価値計算と直ちに連動するものでは無いものと理解いたしております。申し訳ございませんが、個別の会計処理についてのこれ以上のご説明は差し控えさせていただきます」
「私は会計処理の説明をしろと言ってるんじゃなくて、そんなトンデモナク高い買い物をするのには、それなりのごもっともな理由があるんだろうから、それをきちんと説明できる資料を公表しなさいと言ってるわけ!!!」
「株主様の貴重なご意見誠にありがとうございます。謹んで承りました。今後とも弊社へのご支援、宜しくお願い申し上げます」
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