中流層は川になった
アメリカの「Occupy Wall Street」デモは、目的が曖昧な分、「反戦」という大きなテーマや「授業料値上げ反対」など身近な主張も飲み込んで拡大しています。
デモ隊は、アメリカの1%が富を独占していると主張し、「we are the 99%」 と叫んでいます。
1%の象徴は、強欲な金融業界。
さんざん毒饅頭をばら撒いて税金で救済されると高額ボーナスを復活。
最近では「デビットカードを有料化する」とまで言い出し、貧困ビジネスにまで参入して来るのかと思わせます。
戦後、アメリカで中流層が支配したのは1950~70年代。
80年代以降はモノづくりの主役を日本に奪われましたが、金融業界の膨張と不動産の値上がり益をシェアすることで中流層はどうにか生き残ってきました。
但し、借金も増えたため、現在では死にかかっています。
アメリカに代わって中流層支配をエンジョイした日本も、90年代以降はバブル崩壊と急速なIT化で様相は急変。
近代化された工場では必要な工員が減り、オフィスでは単純労働がPCに置き換わり、職場の花が消えました。
生産性の向上は投下する労働力の減少を意味し、「働きたくても働けない人」と「働かなくても食える人を」増やします。
機械にはじき出された中流層は下流へとランクダウン。
中流層のいた場所は地盤沈下し、そこに水が貯まって川になり、新たな壁が生まれました。
川の両岸には富裕層と貧困層が睨み合い、それぞれに利益を代表する政治家たちがいます。
話し合いの場は川を挟んでの「罵り合い」となり、建設的な議論が難しくなっています。
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