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November 27, 2011

人はなぜ沖縄に惹かれるのか

Photo左のグラフは沖縄を訪れた観光客の人数です。
列島全体がリゾートブームに沸いたバブル時でも年間300万人だったのが、今や2倍の600万人近くをキープしているのですから、既にブームという言葉を越えて定着したというべきなのかもしれません。

その沖縄ブームに手を貸したと自負する人たちの、いわば贖罪の書が「新書 沖縄読本 (講談社現代新書)」です。

かつて沖縄を美化しすぎた(?)と反省する3人の著者は、改めて沖縄県の現実に目を向けます。

「肥満率日本一」「離婚率日本一」「貸金業者率日本一」「進学率最低」「八重山への人頭税に象徴される県内差別の歴史」

どこから見ても貧困に苦しむ島々ですが、逃げ場のないアイランドであるが故、相手を徹底的には攻撃しない文化。
それを「癒し」「ゆるさ」「沖縄タイム」などと呼んで観光資源化したことに罪はないのか。

そんな葛藤が感じられます。

琉球は薩摩(日本)と清(中国)という大国に挟まれ、歴史に翻弄されて来ました。
これは、今後日本がアメリカと中国という二大大国に挟まれてどう生きるかの手本でもあります。

沖縄を観光地としてだけではなく、そこに暮らす人々の現実と複雑な感情を理解したいのであれば、大きな一助となる本だと思います。

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