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January 29, 2012

貿易赤字は円安を招くのか

日本が31年ぶりに貿易赤字で円安に振れたと報道されていますが、今後とも赤字傾向が続くのかどうかについては見解が分かれています。

この手の話題は、まずはデータの中身をしっかりと把握することが肝心だと思いますが、ググっても見当たらないので、財務省貿易統計から自分で作りました。

Photoまずは輸出の前年比較。
落ち込んでいるのは、(当然ながら)輸送用機器(車)と電気機器。
この2項目で、2兆5千億円の前年比マイナスです。

しかしながら、一般機械(工作機械等)は昨年より5千億円増加と、こんな状況でも踏ん張っていて、輸出全体の金額は1兆8千億円(2.7%)減の65兆5500億円。

税関が出している年間平均ドル円レートによれば、2010年が88円、2011年が80円と1割円高。

加えて、震災によるサプライチェーンの分断、電力不足、タイの洪水、欧州の景気悪化という四重苦、五重苦があったのが2011年ですが、それでも輸出全体では、僅かに3%以下の金額ダメージしか生じていないのが事実。
日本全体の輸出力に関しては、むしろ驚異的な底力と頑張りがあったと評価すべきではないでしょうか。

Photo_2次は輸入。
大きく増えたのは、鉱物性燃料で、要するに石油と天然ガス。
この項目だけで、17兆円から22兆円近くへと、4兆4千億円もの増加(赤字要因)。

トータルの貿易赤字額は2兆5千億円なので、原因の180%(?)は原発停止による緊急の燃料確保です。

長期的に考えれば、日本の貿易黒字は高齢化などの構造的要因から減少していくでしょうが、昨年の赤字に関しては輸出入ともに一時的な要素があまりに多く、これをもってトレンドを判断すること自体が根拠薄弱です。

今年も最大の問題は資源価格ですが、少なくとも去年よりは計画的に買えるので、さらに足元を見られることはない理屈。

東電の値上げ計画に東京都が待ったをかけたのは、あまりに当然のことです。

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