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February 11, 2012

重慶を舞台に血みどろの権力抗争か

Photo事の発端は、重慶市副市長「王立軍」(52)の突然の降格人事。
2月2日、兼務していた市公安局長を解任され、8日には「休暇式治療」と重慶市が微博で発表。

ところが、 「病気休暇中」の王立軍が四川省成都の米総領事館を訪問していたことが判明。

米国務省ヌーランド報道官が、王氏が総領事館を訪れたことは認め、「王氏は総領事館を自らの意志で去った」と発言。

翌9日には中国の崔天凱・外務次官が、この件は個別の案件で既に解決済み、来週の習近平・国家副主席の訪米に影響はないことを強調。

王氏は重慶市トップの薄煕来(はくきらい)市党委書記の腹心。
「打黒」といわれる大規模汚職事件を指揮しました。

2007年に政治局入りし、次期常務委員を狙う薄煕来が、わざわざこの時期に部下とトラブルを起こす動機はありません。

その他の断片情報を合わせてシナリオを組み立ててみると、

誰かが王立軍のスキャンダルを攻撃。
薄煕来に助けを求めたものの、煮え切らない態度に王立軍が激怒。
逆に薄煕来を脅したところ、公安局長を解任され、身の危険を感じて米国に亡命を申請。
アメリカは中国との関係を考慮して亡命を断り、王立軍は既に北京で拘束されている、といったものです。

薄煕来のダメージで直接利益を受けるのは、宿命のライバルと目される、広州の汪洋(おうよう)。

そもそも薄煕来は汪洋の後任として重慶市書記に就任したのですが、汪洋に近い公安局関係者などを逮捕したため、汪洋は顔に泥を塗られた格好になっています。

保守派の薄煕来に対し、汪洋は成長と民主化重視。
先の広東省烏坎(Wukan)村暴動事件でも、寛大な判断を示しました。

とはいえ、この時期に露骨な政治闘争を仕掛けて返り血を浴びれば、汪洋にも大きなリスク。

とすれば、二人の抗争を煽って漁夫の利を得る立場の者が仕掛けているのか。

このまま王立軍は闇に葬られてしまうのか、それとも3千年の権力闘争の歴史が凝縮された命がけのドラマが見られるのでしょうか。

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Comments

以前 中国人留学生に中国の歴史を訊こうとしたら 日本人のほうが詳しいといってました。
 毛沢東最後の女 は 女 だけでなく毛沢東の世界イコール当時の政治状況がなまなましくわかって読んでせいかいでした。
 (もっとも毛氏が周恩来の養女まで もの にしていたのには呆れました)
 

Posted by: みーふぃ | February 11, 2012 02:44 PM

黒幕は習近平の権力奪取を阻止したい江沢民派という記事が出ています。http://www.epochtimes.jp/jp/2012/02/html/d46666.html

習近平がアメリカから戻ると、国内バトルが始まるんでしょうね。

Posted by: akazukin | February 16, 2012 10:13 PM

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

Posted by: 履歴書 | April 10, 2012 02:10 PM

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