シャープも増資インサイダーか
「台湾企業の軍門に下る」という見出しがなかったのは、武士の情けでしょうか。
今年度2900億円の赤字予想を先月発表したシャープ。
今日、アップル製品やプレステなどのアセンブリで良く知られている「フォックスコン」ブランドを持つ台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業グループに計121,649千株、669億円(@550円)の第三者割当増資を発表。
ホンハイグループは、9.87%の筆頭株主となる予定です。
加えて堺工場の運営会社「シャープディスプレイプロダクト(SDP)」の株式46.48%を鴻海精密工業の郭台銘董事長に660億円で譲渡。
今日の株価は21円(4.4%)高の495円。
ザラ場中に公式発表は何もありませんから、2時以降の動きはちょっと不自然に見えます。
SDP株を個人に譲渡するというのも凄い話。
いくら富豪といえども660億円は、シャープ本体増資分に匹敵する額。
会社として購入する理由を説明できないということでしょうか。
堺工場(資産価格2000億円)の製品を鴻海に買い取ってもらうことで減損を回避したいという意図はわかりますが、普通は法人が株を買うのでは。
@550円は昨日の終値474円に比べると「不当に安い」とは言えませんが、決算下方修正直前2/1の株価628円に対しては88%と、いわゆる9割基準ギリギリ。
今期▲2900億円を織り込んだPBRも634円と、ほぼ同じ水準ですから、こちらも意識したのか。
シャープのメリットはわかりやすいですが、鴻海の方は。
シャープに欲しい技術があるのか、いずれは経営権を狙っているのか、立て直す自信がある投資なのか。
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