沖縄はどこに復帰したら良いのか
1972年に沖縄が「本土復帰」してから今日で40年。
1975年には、当時の皇太子に火炎瓶が投げつけられた沖縄ですから、ルーピーに卵をぶつける人がいても不思議ではないと思っていましたが、特に事件はなかったようです。
沖縄は、リゾート地として遊びに行っている分には気分が軽いのですが、歴史を考え始めると気分が重くなってきます。
広島、長崎、知覧、全て行きましたが、どの地も激しい戦闘が行われたわけではなく、現実の血なまぐささに関しては、沖縄が最も悲惨に感じます。
しかも、本土のために無駄な捨石にしたという後ろめたさが強く付き纏います。
「国家とアイデンティティを問う (岩波ブックレット)」の中で、元津田塾大学教授のC.ダグラス・ラミスは、「日本人が沖縄で癒されるのは、植民地気分を感じられるのが沖縄だけだからだ」と辛辣な言い方をしていますが、これは真実を言い当てていると思います。
我々は、唯一沖縄でのみ、宗主国気分を味わえるのです。
今日の日経新聞には、
沖縄上陸前に米軍が作成したハンドブックには、「琉球人は粗野な振る舞いから、日本人に『田舎から出て来た貧乏な親戚』と差別されている。潜在的な不和の種は政治的に利用できる」と記載されていた。
という記事がありました。
情報が限られていた当時にして、見事な分析というしかありません。
アメリカは、今もこの不和を基地存続のために利用しています。
占領下の27年、その後の40年。
日米共に、沖縄に魚を与えても釣竿は与えませんでした。
72年当時のニュースを見ると、「祖国復帰」という表現が沖縄サイドでも使われていますが、今では「本土復帰」という言葉でさえ、大きな違和感を感じるようになりました。
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