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May 25, 2012

誰がGREEXITを煽っているのか

6fa59_769_8ec6843f3dbd3af2da55526e2今月6日のギリシャ総選挙で第2党に躍進した急進左派連合のツィプラス党首は22日、「われわれはユーロを維持する。緊縮計画の拒否はユーロ圏離脱を意味しない」と強調し、再選挙で勝利しても、ユーロ圏を離脱しない方針を明確にしています。

また13日に発表されたギリシャの世論調査では、ユーロ圏残留支持が78%。

ギリシャ人はドラクマが問題を解決しないことを理解しています。
ユーロ圏各国も敢えて混乱を望んではいません。

にも関わらず、パパデモス前首相による「ユーロ離脱は現実の選択肢」との発言が伝えられて市場は動揺。
但し本人はCNBCで、ギリシャのユーロ離脱の準備は行われていないと明言。

その他、ユーロ当局者は「ユーログループ作業部会は、ギリシャがユーロを離脱した場合に備えて、ユーロ圏加盟各国がそれぞれ緊急対策を用意することで一致した」とか、ドイツ連銀は「ギリシャのユーロ圏離脱による影響はかなり大きいものの対応可能との認識を示した」など、周辺からは"ユーロ離脱発言"が続々。

当のギリシャ国民にしてみれば、「俺たちにその気があるなら、とっくに銀行が取り付け騒ぎになって死人が出ているはずさ」といった気分でしょう。

ユーロ圏主要国としては、「出て行くならどうぞ」というムードを作り、ユーロ残留と引き換えに更なる譲歩を迫って"抱きつこうとする"ギリシャ反緊縮派の思惑を、再選挙前に出来るだけ牽制したいところ。

チキンレースの末にユーロ離脱という意外な結末が絶対に無いわけではありませんが、誰も本気で望んでない上に実務的な手続きも難しく、ユーロ残留を前提に条件闘争が続くことがメインシナリオです。

なお、B級ネタとしては、南進(死語か)を狙うロシアが借金の肩代わりと引き換えにギリシャの権益を手に入れようとしているという、なかなか面白そうな話もあります。

ロシアがこの地域で露骨な動きをすればトルコが黙ってはいないでしょうが、ギリシャ国債投資で痛手を受けたキプロスにロシアが25億ユーロの融資を行ったのは事実。

これはキプロスの銀行に預金しているロシア人を救済することが主目的でしょうが、機あらば、ロシアがキプロスを通じてギリシャに食指を伸ばす可能性があると見る人もいるようです。

これもまあ、ギリシャに取っては交渉材料の一つにはなるかもしれません。

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