WOWOWドラマ「マグマ」
NHKの「ハゲタカ」でブレイクした真山仁の「マグマ (角川文庫)」
が原作。
全5話の内、既に3話が放送されました。
原作は2006年の出版。
地熱発電という地味なテーマで、恐らくあまり売れなかったと思われますが、3.11によって日の目を見ることになりました。
地熱発電が普及しない理由は技術的な問題と思われがちですが、本書では、「地熱停滞の最大の理由は、電力会社が原発という神の火を手に入れ、後戻りできなくなったこと」、そして「日本の場合、有力な地熱エリアが国立公園内にあることと温泉街との利害関係という二つの大きな障害が大型地熱発電所建設を阻んでいる」と整理し、「日本の地熱開発を阻んでいる三悪は、環境省、温泉組合、電力会社である」と語らせています。
TVでは、地熱研究者がファンドから送り込まれた社長に向かい、「いつか他の資源が枯渇し、コストなどと言っていられなくなった時に地熱発電が必要になる。その時のために、どうしてもこの研究を完成させておく必要がある」と主張するシーンは印象的です。
太陽光にしても風力にしても、日本が世界の中で地理的に有利な立場にいるとは考えにくいわけですが、火山大国日本は地熱資源量で世界三位。
日本がアドバンテージを持つ唯一の発電資源と言えるかもしれません。
アメリカのシェールガスが技術開発によって経済性を持つに至ったのと同様に、日本が圧倒的な技術力で地熱資源を効率的にエネルギー化する近未来が見たい。
筆者の、そんな熱い思いが伝わってきます。
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