職業としてのAV女優
「職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)」は、一般人には知りにくいAV業界の変遷と現状を、社会背景の変化を織り交ぜながら赤裸々に描いています。
アウトローな世界だからこそ、表の世界以上に変化を体験していると言えるかもしれません。
一番の変化は、AV女優のハイスペック化。
これは我々ユーザーにも一目瞭然。
背景にあるのは、貧困です。
数万円の生活費の不足が、性体験の少ない「普通の女性」を業界に誘います。
業界の競争は、「すれていない」商品価値が高い女性の取り合いを激化させます。
サラ金規制法は多額の借金で業界に来る女性を減らしたものの、僅かな借金で業界に飛び込む女性を増やしました。
コンプライアンスの徹底はこの業界にも及び、今や劣悪な労働条件や契約違反は激減して安全な職場に変身。
スタッフは少しでもは売れる商品の製作に必死であり、割に合わないトラブルは回避します。
希望のない社会は「自分が必要とされたい」という承認要求を高め、毎年の「新入社員」は推定6000人。
しかしながら、若いユーザーは無料で手に入るソフトに流れ、利用者の高齢化現象は、熟女やニューハーフなどマーケティングを複雑化し、売れる売れないの二極化が進みます。
「和洋」問わず、海外から無修正のAVが簡単に手に入るようにもなり、この業界は一体どう変化しながら生き残っていくのでしょうか。
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