なぜ今メキシコを見る目が熱いのか
メキシコの人口は1億1千万人。
一人当たりGDPが1万ドルと、アジアで比較するとマレーシア並。(韓国2万3千ドル、台湾2万ドル、タイ5400ドル)
2008年金融危機による落ち込みは日米と変わりませんが、そこからの回復力は強く、現在も堅調です。
あらためて日本株の動きを見ると、リーマンショック後の円高で頭を抑えられ、さらに震災後の投資家離れが重しとなっているように見えます。
通貨はメキシコペソ。
これも5年チャートでみると、対ドルで2割ほど安くなっています。
一方の円は4割ほど高くなっているので、日本から見ると涎が出るほど安く見えるはずです。
現在の政策金利は4.5%。
失業率5%、CPI上昇率4%程度と、まずまず健全な範囲。
物価水準は、地下鉄が均一料金で20円程度。
輸出品の8割は自動車や電気製品など製造業。
輸出における原油の構成比は12%と低く、一般の日本人が持つイメージよりもずっと工業国であると言えそうです。
メキシコは世界40カ国以上と自由貿易協定を結んでいるため、特に新興大国ブラジルへの輸出生産基地としての魅力が高いと考えられて来ました。
自動車の市場規模はメキシコ94万台に対し、ブラジルは360万台。
2011年にはメキシコからブラジルに20億ドルの自動車が輸出されていましたが、ブラジルはこれを問題視。
両国間協議により自動車の無関税輸出の上限枠が、2012年以降3年間15億ドル程度に制限されました。
上限枠の設定は3年間の暫定措置となっていますが、ブラジル次第でどうなるかわかりません。
こうしたことから、メキシコを足場にブラジルへ輸出という単純な構図は成立しなくなっていますが、北米や欧州を睨むと、立地や人件費の点から依然メキシコは日本自動車メーカーの生産基地として魅力的といったところでしょうか。
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