QE3は円高か円安か
言うまでもなくQE3はドル安政策なので、ドル円相場が気になるところです。
ドル円はQE3発表前に78円割れとなり、円高に勢いが付いてしまう事態が懸念される状況でした。
いわゆるシカゴ筋ポジション(9/11時点)で円ロングが増えていたのは、「QE3→ドル売り→円高」の流れに乗ろうとする短期的な思惑があったのかもしれません。
しかしながら、今のところドル円は円高懸念とは逆に78円台を回復。
元々クロス円は単純なドル安の影響を受けにくいわけですが、ベースのドル円が堅調であることが、さらにクロス円での円安をサポートする形になり、日本株には支援材料となっています。
今回、QE3にも関わらずドル円が上昇したことは、米国の金利動向で説明するのが適当かと思われます。
左は米国長期金利の直近動向(5日間)です。
矢印がQE3発表時点ですが、金利は瞬間的に上昇。
買い入れ対象がMBS(Mortgage-backed security)のみで、一般の長期債が含まれていなかったことが原因と言われています。
その後一旦は債券が買い戻されて金利は下がりましたが、翌14日には改めて債券は売られて(金利は上昇)ドルの支援材料となりました。
相場はいわゆる株高債券安のパターンになっており、このトレンドが継続するなら、日本企業に取ってもひとまずは安堵出来そうです。
アメリカに取っても、今は不動産市況が景気を牽引することが期待されているので、ドル高期待で日本からの債券や不動産投資が増える(or減らない)のは悪いシナリオでは無いように思われます。
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