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September 22, 2012

ベンガジ(リビア)で市民が立ち上がる

001今月11日、リビア東部ベンガジの米領事館が武装集団に襲撃され、スティーブンズ駐リビア米大使ら米国人4人が死亡するという痛ましい事件がありました。

イスラム教の預言者ムハンマドを冒とくした映画がyou tubeに投稿されたことに対する抗議行動が発端とされています。

そのベンガジで22日朝、数百人のベンガジ住民と武装警察がベンガジ市内の「アンサール・アル・シャリア」の拠点の兵舎に押しかけてイスラム勢力が退去するように求め、一部で自動小銃、RPG等の撃ち合いとなり、4名が死亡し、約40名が負傷したものの、イスラム過激派は拠点から退去したと報じられています。(写真は過激派を追い出して喜ぶ民衆)

また、市内では数千人がデモ行進を行い、襲撃に関与した組織ではなく、自分たちこそが、リビア国民の真の感情の代弁者だと声高に訴え、ある参加者は「米国民に申し訳ない、これが本当のリビアだ」と語ったともされています。

アンサール・アル・シャリアは、アルカイダとの関係が強いとされるサラフィ主義者(イスラム原理主義)の組織で、アラブ各地で武装闘争を進めています。

チュニジアでも米大使館が暴徒に襲撃されましたが、その時マルズーキ大統領は、「我が国の宗教的過激派の行動は超えてはならない一線red line を越えた」と過激派を激しく非難しました。

そもそもアラブの春以降、イスラム系政治団体の台頭に歯止めをかけることが難しくなり、そこを突いて過激派が存在感を示そうとする乱暴な行為に市民感情の反撃が具体的に始まったという意味で、注目すべき動きかと思われます。

アラブの地に、穏健で現実的な政治活動が広がることを期待したいと思います。

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