検察崩壊~失われた正義~
「検察崩壊 失われた正義」は、郷原弁護士による小川元法務大臣、小沢氏元秘書石川議員、大坪元大阪地検特捜部長、歌手で市民団体代表の八木啓代氏4名へのインタビューを纏めたものです。
そもそもの主題となる事件は二つあります。
一つは誰もが良く知っている、厚生労働省の元局長村木厚子氏の冤罪事件。
もう一つは小沢一郎の資金管理団体「陸山会」を巡って虚偽の報告書を作成した田代元検事が「記憶の混同」を理由に不起訴となった件。
小川元法務大臣は、田代元検事の捜査に関し、最高検察庁に「もっと良く調べろ」と指揮権発動をしようとして交代させられたと語っています。
石川議員は、裁判のベテラン(?)佐藤優氏に強く言われて録音機を持って行ったこと、そして田代検事がいかに有りもしない事実を報告書に記載したかを赤裸々に証言しています。
大坪被告は、あの前田検事の証拠改ざんを全く知らず、彼を信用した自分が間違いだったと語っていますが、これは嘘の匂いがします。
ただし、犯人隠避で有罪になるほどの重罪かと言えば、確かに疑問であり、検察全体の罪を問わずに自分が「とかげのしっぽ切り」になるのはおかしい、更には田代元検事不起訴と比べてバランスが悪過ぎるという主張には聞くべき部分もあります。
最も生き生きとしていて面白かったのは、素人の八木氏のインタビューです。
法律論の細かな部分に偏りがちな3人と比べて、主張はシンプル。
「小沢狩り」は検察のクーデターであり、だからこそ市民として声を挙げなければいけないと思ったという動機には説得力があります。
総合的に判断して、検察は組織防衛という癌に侵されて根元の腐った大木です。
繰り返し暴走をしそうな組織なので、我々一人一人が注意深くモニターしていく必要があるということが、悲しむべき事実のようです。
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