電力株は底を打ったか
かつてはガチガチの配当銘柄と言われた東京電力ですが、震災後は事実上国有化され、今や株価は130円台とピーク時の30分の1。
東電株の急落で電力株全般に売りが広がり、さらには燃料費による収益圧迫もあり、多くの人が電力株を見放しました。
しかしながら、電力債について見ると、今年6月の東北電力を皮切りに、関西、中国、九州と再開が続き、年内には北海道電力も債券発行と伝えられ、これで東電、沖縄電力以外の8社が社債発行再開となります。(原発のない沖縄電力は2011年に既に起債)
下記は、原発ゼロの沖縄電力、原発依存度が高かった関電、比較的低い中部電力の比較チャートです。
上から、沖縄電力、中部電力、関西電力。
原発依存度の低い順に並びます。
この三社は今年の夏ごろまで同じように売られていましたが、まず沖縄電力が8月初めから反発開始。
ちなみに7月31日付で沖電は燃料費の低下を理由に業績の上方修正を発表しています。
中部電力、関西電力も、沖電を追うように反発模様。
7月には関電の大飯原発が再稼働というニュースもあり、次第に電力会社のクレジットは復活して、株価の反発にも繋がっていったものと思われます。
ちなみに沖縄電力の現在の株価は、2700円台と、震災前の2割引き水準。
PBR0.4倍、PER10倍、予想配当利回り2.2%といったバリュエーションです。
関西電力は第1Qが1470億円の赤字と深刻。
通期業績も配当も見通し自体が立たず、完全に視界不良です。
中部電力はH24/3決算が920億円の赤字でしたが、期末配当30円(年間60円)は実施されました。
今年も5月段階では60円配当継続を前提としていましたが、第1Q決算が120億円の赤字となった8月には「未定」に変更されました。
但し、関電に比べると赤字額はかわいいものです。
浜岡原発の対策工事はH12年完成予定が1年延期。
南海トラフ地震の想定が悪化するなど、再稼働へのハードルは上がっていることがネガティブです。
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