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October 21, 2012

「日本史」の終わり

41kkjwdbnfl_sl500_aa300_「日本史」の終わり 変わる世界、変われない日本人というタイトルは、本書の主題が伝わりにくいと思います。
仮に言い換えてみると、「いまだに江戸時代を生きる日本人」といったところです。

本書は、池田信夫氏と與那覇 潤(よなは じゅん)氏の対談ですが、與那覇氏の前作、「中国化する日本」というタイトルにはインパクトがありました。

本書は、「中国化」を踏まえて、日本人論を展開していきます。

そもそも西洋と中国の違いについては、多様な研究がされていますが、本書における認識は、例えば次のようなものです。

西洋(欧州)は、(中国と比べれば)狭い地域に王様がたくさんいて、城壁で囲って戦争を繰り返す。
しかし、いつかは休戦しないわけには行かず、その時の理屈が、「我らは元々同じ神の子」。

戦争を終えるための口実が、次第に宗教として体系化されて広く力を持つに至り、世俗の権力として乱立する王たちと、共通フォーマットとして広まったキリスト教を率いる教皇とが二元的に存在し、時には「カノッサの屈辱」のように、権力の逆転現象さえ起こる。

中国では、そうした世俗と宗教の二元的権力機構は広まらず、天子様たる皇帝が全てを支配。
とはいえ、城壁都市と違って帝国は広いので、皇帝の取り巻きと一般人民の距離は遠く、正に「上に政策あれば、下に対策あり」の状態。

税を厳しくすれば、人民はすぐに他の地域に逃げてしまうくらいなので、民民の長期契約など当てにならない。
そこで中国では契約ではなくデポジットで拘束する習慣が定着。

そうか、だから中国では出来てもいないマンションの販売代金を全額払わせる商習慣なのか、と私は妙に納得。

さて翻って、日本は他民族による皆殺しを経験していない平和な社会。
戦争に負けて西洋的価値観、法体系を導入したものの、それが根付いたとは到底言えず、法律よりも空気が支配し、誰が決めたのか曖昧なまま、原発が全部止まってしまう。

対外戦争経験が少ないから、権力の集中を嫌う性質があり、江戸時代の「地域割り」の伝統が色濃く残っていて云々と話は続きます。

このような比較文化論に興味が持てるなら、楽しく読めて役立つ本です。

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