パナソニックがS安
昨日パナソニックは、業績を下方修正。
連結通期予想は、500億円の黒字から7650億円の赤字とドラマティックに悪化しました。
内容としては、繰延税金資産の取り崩しが4125億円、のれん代等の減損が3254億円ですから、今の業績であれば避けられない経理処理を前倒ししたとポジティブに見る(?)ことも可能です。
しかしながら、今春参入した欧州でのスマホ事業の撤退などは、現時点での経営判断能力に疑問を持たせるのに十分な迷走。
今日の株価は、S安寄り付き、ショートカヴァーの反発後に再度S安という悪いパターンで、暗い先行きを暗示しています。
我が家には、DIGAもレッツノートもあり、娘はルミックスのミラーレス一眼を所有していますが、そもそも今のパナは何で儲けようとしているのでしょうか。
H24/3の有価証券報告書では、事業分類が8つ。
まるで暗号のようで、カッコ内は私が追記しました。
①AVCネットワークス(ノートPC、薄型TV、デジカメ等)
売上 1兆7134億円 利益 ▲678億円
②アプライアンス(洗濯機、電子レンジ等)
売上 1兆5341億円 利益 814億円
③システムコミュニケーションズ(小型複合機、携帯電話・スマホ・タブレット等)
売上 8408億円 利益 173億円
④エコソリューションズ(LED事業、EV・PHEV充電設備等)
売上 1兆5258億円 利益 588億円
⑤オートモーティブシステムズ(カーナビ、ハイブリッドカー用バッテリー等)
売上 6532億円 利益 49億円
⑥デバイス(イメージセンサー、半導体)
売上 1兆4045億円 利益 165億円
⑦エナジー(太陽電池モジュール、リチウムイオン電池)
6148億円 ▲208億円
⑧その他(ヘルスケア機器等)
1兆8808億円 235億円
どれもこれも1兆円クラスの馬鹿でかい売り上げの割には、しょぼい利益。
損益分岐点が非常に高いのだと思われます。
加えて三洋電機の面影を引きずった複雑な事業分類。
太陽光発電のエナジー事業と充電池のエコソリューションズは別セグメントですし、携帯電話はPCやデジカメの含まれるAVCネットワークスから外れてシステムコミュニケーションズ。
リチウムイオン電池とEV充電設備、ハイブリッド用バッテリーは、それぞれ別セグメント。
各セグメントには原則別々の製造会社が存在し、この垣根を超えた商品開発は、さぞかし時間がかかるであろうと推測されます。
わかりにくいとされるソニーの事業分類より、さらに問題がありそうに感じられました。
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