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November 25, 2012

今年のASEAN株はフィリピンの優勝か

Z_2ASEANの株式市場は、タイ、インドネシアが強く、マレーシアが安定、ベトナムが駄目駄目としたものでしたが、今年は特に後半、フィリピンが断トツに強い結果となっています。

アジア開発銀行は10月、アジア全体(44カ国)の2012年経済成長見通しを6.9%増から6.1%増に引き下げましたが、その中にあってフィリピンは+4.8%→+5.5%と貴重な増額組。

フィリピン最大の産業(?)である「出稼ぎ者からの送金」は、今年も好調を維持。

1-6月の送金は前年同期比5.1%増の101億ドル。
海外で働くフィリピン人はおよそ900万人(人口の10%)ですから、単純平均で一人が年間184千円。

18万4千円と聞くとさほど多いと感じませんが、一人あたりGDPが19万円の国です。

年間推定仕送り額合計は1兆7000億円ですが、フィリピンのGDPが約18兆円、貿易収支は1兆3000億円程度の赤字ですから、確かに「送金事業」が大貢献。

新興国の場合、少し景気が良くなるとインフレになりやすいものですが、最近のCPIは3%台と比較的安定していて、こんなに株高でも10月に中央銀行が利下げして政策金利は3.5%。

外貨準備高は5兆円超と、ベトナムの1兆円を遙かに凌ぎ、送金効果もあって通貨ペソは安定しています。

ベニグノ・アキノ氏の暗殺、マルコスの退陣、軍の暗躍といったイメージが強く残っていますが、最近は政治状況も比較的安定し、投資環境も整備されてきたことで、見直し買いされたのでしょうか。

現在のPERは約20倍。
タイ、マレーシア、インドネシアの15~16倍と比較すると、一定の成長期待を織り込んだレベルにまで来たように思われます。

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