エジプトの対立は深い
エジプトの新憲法草案に対する国民投票は、どうやら2:1くらいの比率で承認されそうですが、一時反対派のボイコットの動きがあったこともあり、投票率は30%台と低迷。
イスラム色が強いとされる憲法案ですが、その内容をきちんと説明した日本語の記事はありません。
新憲法草案は234条。
human Rights watchの記事によると、評価出来る部分と違う部分が混在しているようです。
となると運用が重要ですが、ムスリム同胞団への不信は根強いのです。
12/8放送されたNHKBSの「エジプトの失踪者 ~“アラブの春”の若者は いま~」を見ましたが、いきなり治安当局に捕まり、拘束され続けている若者の数1万2千人。
不当な拘束だと訴える家族たちは民主的な裁判を求めているものの、警察の報復を恐れて沈黙を続ける家族も多い、とされています。
人々の多くは、主義主張を叫んでいると言うより、全ての強権・独裁にNOと言っているに過ぎないと思いますが、ムバラクが去れば組織力に際立ったモスリム同胞団が台頭するという予測通りになっています。
ムスリムたちが若者たちに妥協して、トルコ的な政治体制を目指すのがベストシナリオ。
度重なる混乱に軍がムスリム側に立って動き、イラン型に近づいてしまうのが極めて悪いシナリオでしょうか。
アラブの4人に一人はエジプト人と自らが言う、人口8千万人の大国は、どこに向かうのでしょうか。
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