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January 24, 2013

デフレ脱却すると何が良いのか

多くの国はインフレ傾向ですから、日本がデフレだと円の購買力が相対的に増加します。

為替は短期的には金利差で動き、長期的には購買力平価に収斂する法則が知られているので、長期的にはデフレ国の通貨「円」は上がります。

円高になると、輸出が苦しい、空洞化で雇用減少、株式等資産価格も低下して年金運用も出来ない等々のネガティブな効果が発生します。
従って、景気回復にはまずデフレを脱却することが優先します。

という説明は、政治家の頭の中にもスンナリ入っていきそうです。

ただし、これだけ国の借金が増えてしまっている現状で、円安が国債の安定的な消化に影響が無いのか、ただでさえ貿易赤字が定着する中で強引に円安を誘導して日銀の独立性ひいては通貨の信認を毀損しないかなど突っ込みどころも満載です。

仮に円安の良い部分である輸出が伸びたとしても、企業経営者は国内人件費を抑制し、円安効果で増加した利益を、今後成長が見込めそうな地域(海外)へ投資したいはず。
そのため、「輸入物価は上がっても賃金は後回し」といった懸念はもっともです。

Meimokutinnginn左のグラフ(出典:http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/policy/pdf/5950.pdf")によれば、日本の名目賃金は15年も下がり続けており、これは中国など新興国の低賃金に押され、雇用を守るために全員で賃下げの痛みを共有している姿と考えられます。

日本人は、会社を移って賃金が上昇する「不確実性」よりも、今の会社に残って賃金が下がる「確実性」を選択していると見られます。

いかにも日本人的ですが、競争力の低い古い構造を守ることは賃金上昇を抑制し、じわじわと貧困化します。

また、その「貧困化の輪」の中にさえ入れていない若年層たちは、グローバル化の暴風を諸に受け、就活で疲労し、ブラック企業に脅えています。

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