資産家夫婦殺人事件とクロニクル
埼玉で遺体が発見された霜見誠氏は、リヒテンシュタインに籍を置く「ジャパン・オポチュニティ・ファンド(JOF)」のファンドマネージャー。
JOFは以前から「クロニクル(9822)」を手掛けていて、2007年5月23日には50百万株(約13%)の大量保有報告書を提出しています。
また最近では、平成23年12月26日、クロニクルの第三者割当による新株予約権720万株分(行使価額は1株20円)を引き受けています。
この時、中国系の「Red Drum Invest Limited」という投資家を連れてきて、同じ新株予約権を4080万株も引き受けさせました。
合わせて9億5千万円以上の資本調達をアレンジしたことになります。
当時株価は、1か月前の20円から急騰して40円になっているので、価格だけを見れば美味しいワラントに見えます。(見えるようにしたのでしょう)
JOFはその後、この予約権の一部を行使して4千万円の払い込みをしたとIRされています。
つい先日の今月25日、クロニクル社は、過去の会計処理に問題があるため、第三者調査委員会を設置すると発表。
同社の従業員数は僅かに6名。
連続赤字で継続疑義注記があり、増資によって債務超過転落を免れている状態です。
クロニクルは関連会社を通じて「ピュア・アイ」という出会い系サイトを運営していますが、いわゆる「サクラ満開」サイトとの評判です。
単純に想像される構図としては、こうした資本調達や粉飾(?)決算に関するトラブルということですが、このような会社に協力している霜見氏も、相当の人物であろうと推測されます。
むしろ、霜見氏が積極的にシナリオを書いていたのかもしれません。
資本調達など出来そうもない会社のエクイティファイナンスをアレンジして資金環流させるような手口は、過去にも見られるところです。
いずれにせよ、良い子は近づいてはいけない銘柄です。
Comments