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January 20, 2013

NHK「毛沢東の遺産」

Pic_85679009afd8fe74ecbf132387d95a619日放送されたNHKBS1「毛沢東の遺産 ~激論・二極化する中国~」は、あの薄熙来が重慶で展開した「唱紅」運動の背景を知る意味でも、興味深い番組でした。

文化大革命は、大躍進運動の失敗で政治的な立場が危うくなった毛沢東が、批判勢力を修正主義として返り討ちにした権力闘争劇と総括されていますが、それは毛沢東批判がタブーでない海外での話。

中国国内ではいまだ毛沢東は純粋だったと信じる人々がおり、その意味ではやはり彼は天才政治家でした。

鄧小平は中国の経済発展を成し遂げましたが、貧富の差も作り出しました。
というよりも、鄧小平以後は鄧小平より下手くそで、格差を作りすぎたのです。

取り残された人々にとっては、毛沢東思想しか自分たちを認めてくれないのですから、それに縋(すが)るのは当然。

豊かになりすぎた中国共産党は、乗り遅れた人々へ経済的恩恵を分配することも、それに代わる精神的な支柱を与えることにも失敗。
時代遅れの毛沢東思想は、貧民の闘争用具として、しぶとく生き残っています。

番組の最後に、毛沢東派は現政権を格差拡大と批判。
反毛沢東派は非民主主義的と批判。

そこでは意見が一致して、全員拍手喝采となるところが印象的。
両派とも、更なる「階級闘争」を期待しているのです。

再放送は、1月20日(日)16:00、 1月25日(金)18:00です。

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