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March 09, 2013

ドル高株高が共存する時

Dowexe一般的には、ドルが売られるのがリスクオン。

キャッシュの価値が下がればモノが上がる、現金からリスク資産への移動が投資の基本行動。

しかしながら、ドルインデックスなどを見ると、どうやら既に半年間ほど「ドル高株高」という逆パターンが見られます。

過去のドル高株高局面は、1995年~98年頃。
Usdjpy100000122449719245191095年、第70代財務長官となったルービンは、「強いドルはアメリカの国益」と唱え続け、ドル/円は90円から140円へ。
この間DOWは、4000$から8000$超と2倍以上に成長しました。

同じ期間に、アメリカの経常赤字も倍増。

アジアの貯蓄を吸い上げることで赤字をファイナンスしたアメリカ株は、折しも「WINDOWS95」の発表を機に「生産性革命」と囃され、IT銘柄中心に我が世の春を謳歌しました。


Msft左は、マイクロソフトの長期チャートです。

一方ドルペッグによって自国通貨が高くなりすぎたアジア諸国はヘッジファンドに狙われ、通貨バブルの破裂によって大きなダメージを背負います。
特に韓国社会は、屈辱のIMF支配を経験し、極端な成果主義へと移行して今もその傷を背負っています。

日本では不動産バブルの後遺症もあり、97~98年にかけて拓銀、長銀、山一ショックと暗い時代。

98年以降は、アメリカに集まりすぎた資金が拡散し始め、ドル安円高傾向になります。
2年ほど持ち堪えたDOWも、2000年にはITバブルが崩壊し、1万2000ドル間近だったDOWは、2002年に7200ドル台まで売られました。

9.11以降、アメリカはショック緩和のために低金利政策へ転換しましたが、2004年以降は景気回復で利上げ傾向。
それに連れて、2004~2007年もドル高株高。
Usdjpy1000001224526412455562
いまだ記憶にも新しい、円キャリーとアメリカ住宅バブルの組み合わせ。
金融工学が詐欺的な格付けに利用され、2008年金融危機の温床となりました。

振り返ってみると、ドル高株高の時期には、それまで世界にばらまかれたドルがアメリカに環流することでバブルが起こりやすい環境になるようです。
ITバブルや住宅バブル。

今回の候補は、シェールガス関連か、再び住宅か、商業用不動産か、ジャンクボンドか、あるいは反対側で起こっている日本の円安や株高債券高がバブルなのか..。

それとも、売られすぎたドルの反発に過ぎず、”This time is different”なのでしょうか。


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