外資系金融の終わり
「外資系金融の終わり」の著者である藤沢氏の考え方は、ブログ「金融日記」で概ね理解しているつもりであり、書籍を買うつもりは無かったのですが、KINDLE化されたため、つい購入してしまいました。
まあ普段ブログを無料で読んでいるので、その代金のつもりです。
ブログはこうして収益化する訳です。
内容については賛否あるようですが、筆者の分析と文章力には定評があり、今回も今後の金融のあり方について、一定のアイデアが提示されています。
本書のポイントを簡単に言えば、「too big too fail」が更に進行することへの懸念です。
リーマンを潰した米当局も、大量のCDSの引き受けで巨大ヘッジファンドと化したAIGは破綻させられませんでした。
結果として、「当たればボーナス、失敗すれば税金投入」というモラルハザード体制は維持され、FRB自らもリスク資産を抱えてバランスシートが巨大化しました。
ゴールドマンサックスも証券会社から銀行となり、いざとなれば公的資金が投入されます。
日銀も最近はETFやREITを買っており、再び金融危機で暴落すれば、税金で損失が補填される可能性があります。
リーマンショックの教訓は、「too big too fail」への反省だったはずが、規制強化の結果、国家がギャンブラーを抱え込んでしまい、結局は税金でカジノ通いしてるのと同じじゃないのか、という問題提起がされています。
筆者の答えは、この歪んだ体制から飛び出し、個人(ヘッジファンド)としてリスクとリターンの正常な関係に身を置くしか無い、ということのようです。
リスクテイキングの主体が小さければ潰せるのです。
私はこの結論に賛同します。
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