大きな中央銀行を持つという意味
日銀の新たな量的・質的金融緩和によれば、日本のマネタリーベースは14年末で270兆円になると予想されていますが、これは現在のGDPの2分の1に相当します。
一方、FRBのマネタリーベースは2兆9000億ドルですから、アメリカのGDP15兆ドルの”僅か20%”。
逆に言えば、既に日本はアメリカを凌ぐGDP比25%のマネタリーベースを誇っている(?)ということです。
日銀が民間から国債を買って送り出したマネーは、また民間が国債を買うことで循環していたのかもしれません。
これまで運用難の弱小銀行は少しでも金利が付く長めの国債を買って利益を出していましたが、日銀が長期国債まで買ってイールドカーブがフラット化すると新たな運用難の状況が予想されます。
もっと簡単に言うと、
「これからは俺様が国債を買い占めるから、お前らは別のモン買え!」
とはいえ、
「だって買う物ないモン、だから高くても買うしかないじゃん!」
日銀は、年間でETFは1兆円、リートは300億円追加購入することも決めました。
こちらの副作用も心配されますが、
「日本では資産価格が比較的安く放置されて来たため、すぐに大きな問題は生じない。
だったら日銀が出来ることは全部やってしまい、後は政府の責任ですよ、とバトンを渡した方が良い」
という考え方は、日銀政策委員にとっては態度豹変の理由として魅力的な口実だったかもしれません。
市場において中央銀行の存在がデカイことが歓迎されるのは、民間のリスク選好姿勢が弱すぎるということで、言い換えれば成長期待が薄いということです。
その原因はが日銀だというリフレ派。
違うという良識派(?)エコノミスト。
仮にインフレ期待を起こすことに成功しても実体経済の成長が伴わなければ、そこに生じるのはスタグフレーションの世界です。
インフレが実現せず、資産価格ばかりに過剰流動性が集中すればバブルです。
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