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April 09, 2013

マーガレット・サッチャーの名言

「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャー元英首相は8日午前、脳卒中で死去。87歳でした。

360204自立と責任を主張し、小さな政府を指向したサッチャーは投資家に取っての鑑です。

サッチャーが首相に在任した1979年~1990年、イギリスの株価(FTSE)は2倍以上になりました(注:FTSEは1984年1000でスタートし、1990年に2220)。

私が最も印象に残っている彼女の発言は、「社会というものはありません。あるのは個人と家族だけ」です。

この言葉は、次のような文脈で使われています。

"I think we've been through a period where too many people have been given to understand that if they have a problem, it's the government's job to cope with it. 'I have a problem, I'll get a grant.' 'I'm homeless, the government must house me.' They're casting their problem on society. And, you know, there is no such thing as society. There are individual men and women, and there are families. And no government can do anything except through people, and people must look to themselves first. It's our duty to look after ourselves and then, also to look after our neighbour. People have got the entitlements too much in mind, without the obligations. There's no such thing as entitlement, unless someone has first met an obligation."

”あまりにも多くの人々が、「もし問題があるなら、それに取り組むのは政府の仕事だろ」と理解をしてきたのが今の時代だと思います。
「俺は困っている。だから補助金をもらう」「俺は家がない。だから政府は家を用意しろ」
皆が自分の問題を社会に押しつけるのですが、そんな物わかりの良い社会というものはありません。
個人としての男と女、家族だけが存在するのです。
政府といっても結局は人々を通してしか何事も為し得ないのであり、人々はまずは自分を頼りにするしかないのです。
自分自身をケアし、隣人の面倒を見ることが義務なのです。人々は責任を果たさずに権利ばかり主張しますが、まずは義務を果たさなければ権利などというものはありません。”


彼女が言いたかったのは、相互に支え合う社会と、社会に寄生する個人とは全く別物だということかと思います。
ユーロ加盟に徹底的に反対したのも、その本質的な危うさを見抜いていたのかもしれません。

心よりご冥福をお祈りします。

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