VaRショックのデジャ・ヴ
先週金曜日の債券市場では一時先物価格が急落。
2回も取引停止となりました。
債券価格の急落と言えば、誰もが思い出すのが2003年のヴァリュー・アット・リスク・ショック。
VaRは、簡単に言うと統計手法による最大ボラティリティの計測みたいな話ですが、より高度な金融工学の専門家集団を集めたLTCMが、ロシア危機であっさり破綻した事実もあります。
リーマンショックの時、ポールソンやバーナンキらが必死に走り回り、叫び続け、リスク資産を買いまくったのは、失われた信用を肩代わりするため。
過去の統計など何の役にも立ちませんでした。
上方向に行けば低金利化です。
2003年と同じレベルで今回急落し、当時よりも長い上髭が出来ています。
通常、国債価格の変動率は低く、前日比1円動けばサーキットブレーカー発動ですから、最大下落幅3.2円(2.2%)はパニックです。
ちなみに2003年には、145円から137円くらいまで3ヶ月で5.5%くらい(金利では1%程度)下がって記憶されている訳ですから、金曜日の債券トレーダールームにはブラックマンデー並の緊張感が走ったはずです。
日銀の白川前総裁は、長期金利が1%上昇した場合、国内銀行で6兆3000億円も損失が生ずる、と国会で証言しています。
現在、大手メガバンク3行の年間営業利益が合計で3兆円くらいです。
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