Blowing Bubbles in Japan
5/21日付けWSJの「Blowing Bubbles in Japan」。
外国人の目からJ-REITがどう見えているのか参考になるので、ちょっと訳してみます。
『日本の大胆な緩和策の資産価格への影響は一様ではない。J-REITの投資口価格は沸騰したが、裏付けとなっている不動産価格は殆ど動いていないことを投資家は懸念している。』
『今年の1-4月でJ-REITインデックスは43.5%上昇し、TOPIXの35.5%を上回っていた。日銀は一部の優良リートを買っていた。
それでもREITは不安定に見える。
不安材料は国債利回りの上昇。日銀の政策がインフレ期待を煽っているからだ。
国債のレートが上がれば、REITの安定した利回りも魅力が薄れる。
10年国債金利が0.6%から0.8%に上昇した先週、REITインデックスは12.8%も下落した。
国債市場が落ち着くとREITもやや値を戻したが、最近のボラティリティは警告のサインだろう。
もう一つ気になる危険信号は、現実の不動産市場にある。
CBREは、東京のオフィスマーケットの空室率が昨年ピークの10%以上から、この4月に8%に改善したと言っている。
しかし、この水準はつい最近である2011年4Qの5.1%より悪い。
住宅市場も控え目ながら回復の兆候がある。
東証の資料に依れば、東京首都圏のマンション価格は11月から2月にかけて僅かに上昇した。
ただし、1年前よりも2.7%安く、2000年レベルからは22.8%も低い。
野村證券に依れば、J-REITの利回りは3.4%。
低金利に慣れた投資家には魅力的だが、同じく野村證券によれば、保有する不動産価格より39%高く取引されている。
この乖離が埋まるには、REITの価格が下がるか、現実の不動産価格が上がるしかないが、後者に賭けている投資家は大きなリスクを背負っているのだ。』
記事中で引用されているのは、CBREのオフィスマーケットビューの中の23区Aグレードと東証住宅価格指数だと思われます。
また、NAVとREIT価格のプレミアム(/ディスカウント)に関しても、米国ではリーマンショックの一時期を除いて、ここまでギャップが広がることは無いというのが一般的な認識です。
ちなみに時価総額最大銘柄「NBF」の一口あたりNAVは79万円。
現在の株価112万円は41%のプレミアム、ピークの150万円だと90%でした。
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