医療にたかるな
「医療にたかるな (新潮新書)」は、財政破綻後の夕張市で診療所の責任者を引き受けた村上医師の著書。
村上氏は2007年、情熱大陸でも紹介されています。
医者には珍しく、日本財政の全体像を捉えた上で、医療への「たかり構造」を批判しています。
夕張市は人口も借金も日本の1万分の1、かつ高齢化率は平均より高いので、日本の未来の姿とのこと。
本書によれば、
北海道、特に夕張は「たかり体質」の激しい町。
かつて北海道一裕福だった炭鉱の町は、医療費はモチロン映画館まで無料だった時代に慣れ、会社が丸ごと生活の面倒を見るのが当たり前だと思うようになってしまった。
破綻時の夕張市の市役所職員数は平均の4倍、かつ年収700~800万円。
おまけに4分の1は市外在住。(??)
ある患者が、「ゴミ分別がルール化され、粗大ゴミが有料となったのでもう生活していけない」と泣き出したというエピソードが、ある意味全てを語っています。
病気への予防意識が低く、医者には薬を出せ、24時間診ろ。
無謀な観光地化計画。
私が見たTV番組では、新市長になった鈴木直道氏(元東京都職員)が、今後のインフラ維持のため、中心部に市営住宅を作って住民を移転する構想(いわゆるコンパクトシティ化)を住民に説明していました。
どういう議論がされるのか興味深く見ていたら、全員が「嫌だ」。
市長「どうしてでしょうか」
住民「動きたくないから」
夕張はギリシャだったのです。
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