中国ゼロ成長説の検証
産経新聞の4/14付け「日曜経済講座」、「アジアへの衝撃…円安が浮き彫りにする中韓の深刻な構造問題」。
この中に、「一方、中国の実体経済は実質ゼロ成長状態にある。
中国政府は昨年の実質成長率を7.8%、今年の成長率目標を7.5%前後としているが、中国の経済統計のうちで最も信頼性の高い鉄道貨物量は昨年は前年比マイナス0.7%で、今年1、2月の合計でも同0%と低迷している。つまり、中国はモノを前年より多く生産しても、多くの製品を工場の外へ出荷していないわけで、鉄鋼、家電、自動車など大半の主力業種で過剰生産と過剰在庫が膨らんでいると推定できる」との記載があります。
中国が実質的には成長していないのではないかというのは、誰もが思っていても口に出せなかった疑問。
流石は、常に勇気ある右寄り発言で存在感を示すサンケイです。
確かに鉄道はマイナスですが、鉄道より貨物量が多い公路(道路)は+10.9%となっており、全体では+9.5%。
また、貨物量と距離を掛け合わせた数字では、全体で+6.9%。
旅客は全体で5.9%の伸びと表示されています。
なお、第1四半期の電力消費総量は、前年同期比4.3%増。
電力消費量が最もGDPと相関性が高いと言われますが、いくら爆食中国でも、少しずつは電力を効率的に使えるようになっているとすれば、GDP>電力でも不整合とは言えません。
中国統計局が発表した今年1~3月期のGDPは前年同期比7・7%増ですが、上記の数値を総合的に考え合わせると、6%台と推定しておくのが、まあ妥当なところではないでしょうか。
中国では、各組織が少しずつ実態より良い数字を積み重ねていくのが当たり前のことです。
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