止まらない中国住宅価格の上昇
中国は、格差拡大に繋がる不動産市場のヒートアップを抑制する姿勢ですが、効果が上がっているようには見えません。
WSJの「China Home Prices Jumped in May」からグラフを拝借。
中国70都市の住宅価格は、前月比で+0.9%、前年比では+5.3%と高い伸びを示しています。
更なる引き締め策を正当化するため、わざと高い数字を出している、という穿った見方も思い浮かびましたが、必要以上に購買意欲を刺激することにもなるので、流石にそこまでの捏造はしないだろうと思われます。
当局は、不動産の譲渡益に20%課税する政策を打ち出していますが、今のところ実行したのは北京だけだと記事に書かれています。
いかにも中国らしい対応です。
中国では2011年~2015年の第12次5ヵ年計画期間中に、低価格(保障性)住宅を3600万戸建設する予定です。
これも北京では一生懸命やっていますが、地方政府は自分の利益にならないことに消極的で、ノルマの数合わせのため不人気な場所に戸数だけは作っているという状態です。(←勝手な推測です)
鄧小平は、「先に豊かになった者は遅れた者を助ける義務がある(先進地区幇助落伍地区是一個義務)」と言っているのですが、様々な利権が絡みすぎた現代中国では、こうした立派なコンセプトを実現するのは困難になっていると思われます。
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