トルコで大規模な反政府デモ
根底にある対立の構造は言うまでもなく、世俗派と宗教色の強い与党AKPの争い。
現在のエルドアン首相は、経済成長に自信を深めた結果、宗教色の強い政策を打ち出し、世俗派は危機感を強めています。
日経新聞電子版5/29付け記事に依れば、
「トルコでお酒が飲みにくくなるとの懸念が高まっている。24日未明には徹夜国会の結果、イスラム色の強い与党・公正発展党(AKP)が提出した酒類の販売・広告の規制に関する法案が、賛成多数で可決された。AKPが2002年に政権を獲得してから10年余り。じわじわとイスラム色が強まっていることに対し、世俗派は改めて危機感をあらわにしている。」
5/26の時事通信の報道では、
【アンカラAFP=時事】トルコの首都アンカラで25日、イスラム教に基づくモラルの押し付けに反対しようと集まった男女200人がキスをする集会を、イスラム過激派が襲撃した。26日付のトルコ各紙によると、過激派は20人。刃物で武装し「神は偉大」と叫んでいた。襲撃の際、参加者1人が刺された。
トルコのエルドアン政権は酒の販売規制など「イスラム化」を企図していると世俗派は恐れている。キスする集会も、通りでキスしていた恋人同士を、アンカラの取り締まり当局がしかったことに抗議し企画された。
3年前の2010年9月。
トルコは国民投票による憲法改正を実施し、司法や軍の政治介入を押さえ、国会や大統領の権限を強めるなどの「民主的な」改革を行いました。
しかしながら実態としては、世俗派の中心勢力である軍の権力が弱まり、パワーバランスは宗教派に大きく傾きました。
宗教派から言わせればそれが民意ということでしょうが、世俗派に言わせれば民主化の名を借りたイスラム化。
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