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June 26, 2013

中国は短期金利引き締めで何をしたいのか

SHIBORは下がったとは言え、まだ翌日物で 5.5530%。
20日の13.444%に比べれば劇的に下がったものの、依然として高め誘導中です。

今日は金価格が急落していますが、これは銀行間で手当てできない資金需要のため、香港市場で大量の金が売却されたためとも噂されています。

当局はコール市場に大きな悪影響を与えない程度に、シャドーバンキングを痛めつける腹のようです。

そもそも富裕層の資金が地方政府の公共事業に流れるフローがシャドーバンキングの中心。

現政権としては、

・地方政府の無駄な公共事業が過剰な信用膨張をもたらしているので、今のうちに適正規模に収縮させたい。

・必要なものは、正規の銀行ルートで救済し、コントロール下におきたい。

・有力なシャドーバンキングルートには地方幹部も関与しているので、この際、忠誠心の「踏み絵」としても利用できる。

・地方政府の無駄な開発が減れば、強引な農民の立ち退きも減って、民衆の支持も期待できる。

そもそも法律の範囲で自由な経済活動が許されている訳では無い中国。
今回も、純粋な経済問題と言うよりは、党内権力闘争や農村懐柔も含めた複合的な観点を踏まえ、習近平と李克強は準備を進めていたものと考えられます。

場合によっては「見せしめ」のために、有力な後ろ盾の無い中小金融機関を破綻させるかもしれません。

現代中国ほど歪な発展をした国はありません。
これ以上の経済発展競争は、共産党絶対支配体制にはむしろマイナス。

富裕層や強欲地方幹部が慌てて金策に走る姿は、庶民の良い娯楽となるでしょうが、やり過ぎれば自分たちが危ないので、寸止め的なお仕置きに留め、権力基盤の強化という実益を取りに行くと思われます。

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