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June 23, 2013

新興国株式の確認

先週は、米国の緩和縮小観測により、我れ先にと新興国から資金が逃げだしました。

Asean1yASEAN5ヶ国ETFの1年チャート。

こうして並べてみると、途中経過に違いはあっても結果は大差なし。
+5~10%辺りに収斂する、往って来い相場。

これからはフィリピンだ、インドネシアの内需が堅い、与党が勝利のマレーシアだ、20年前の中国はベトナムだ等々、色々騒いでみても、市場は「QEが無ければ似たり寄ったりだろ」と言っていると思わざるを得ません。

なお、アジア通貨危機再来の可能性が一部で懸念されていますが、前回発火点となったタイは流石に反省し、今では短期対外債務の10倍以上の外貨準備を持ち、保守的な運営をしています。

仮に本格的に外資が引いた場合、危ないのは、ベトナム、インドネシア、韓国の順番ではないかと思われます。

株価から見て、ASEANよりも深刻なのは、かつての主役BRICS。

Brisc同じく1年で見ると、インドが何とか10%程度プラスですが、ロシア、中国がマイナスで、ブラジル株は2割安。

トルコではデモ隊が排除されて「沈黙の抗議」に変わりましたが、今度はブラジルで大規模なデモが続き、一部では暴徒化。
ルセフ大統領が、今月26日からの訪日を中止する羽目にまで陥りました。

2012年の一人当たりGDPは、ブラジルが12000$、トルコが11000$弱と、同じような豊かさレベル。

耐久消費財を持つ中産階級が育ち、SNS等で世界中の情報が手に入る。
若い世代ほど、より良い社会への要求が強いものの、周囲を見れば、強権・賄賂・汚職・貧困が広がり、理想とかけ離れた不公平だらけ。

多くの国が、導火線さえあれば直ぐに発火する状態であることが再認識されました。

バーナンキ発言を素直に聞くなら、リスクマネーは新興国通貨からドルに回帰する流れが継続する可能性があると思われますが、心情的にはタイのポジションだけは少し残しておきたいところです。

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