騎手の一分--競馬界の真実
「騎手の一分--競馬界の真実 」
は、良く売れているようです。
私は競馬に詳しくないので、筆者の藤田伸二騎手の名前も知りませんでしたが、楽しく読めました。
競馬界のことを良く知っている人なら、
「懐古主義者の愚痴に近い、武豊だけが勝つ時代が良いというのか」
「あからさまに他の騎手の悪口を言うのはどうか」
「全てをJRAのせいにしても」
等々、色々と思いが入ったかもしれませんが、競馬界の内情など何も知らないので全てが新鮮。
騎手がエージェントを雇用する制度になっているなど驚きで、知りたがりの私にとっては競馬への入門書として読めました。
根本的な問題は、強く勝てる馬をどうやって騎手に割り振るかについて誰もが納得する方法など有り得ない、ということのようです。
ちなみに著者は、失敗を恐れて若い騎手に思い切ったチャンスが与えられなくなっている今の競馬界を嘆いていますが、これは一般企業でも同じです。
成長しない社会では失敗のリカバリーが難しいので、過去の成功体験者が安全運転に徹することに反対が出にくいことが原因かと思われます。
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