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September 09, 2013

日米長期金利差が再び拡大

Photo左のグラフは、日米長期金利の相関グラフ。
青がアメリカ、黒が日本で、パーセント表示になっています。

日米長期金利には連動性があり、よほど景気動向に違いがない限り、アメリカが上がれば日本も上がるのが自然と考えられていましたが、それが大きく狂ったのは今年の4月。

黒田緩和の期待を背景に、日本の長期金利が大きく低下して乖離が拡大したものの、実際にバズーカ砲が放たれると金利は急上昇。

日銀の大量購入による民間資金のクラウディングアウトを嫌った売りが市場を混乱させ、それがまた売りを誘発するという悪循環が指摘されました。

尤も、過剰な低金利期待が剥落して、本来の軌道に戻っただけとも見えます。

その直後から米国では緩和縮小観測が本格化し、金利が勢いよく上昇し始めましたが、日本は追随せず、再びギャップの拡大が顕著になってきました。

ちなみにドイツの長期金利は、5月の1.2%が1.95%になっているので、ほぼアメリカに追随した自然な動きです。

日本の景気回復だけが特別に遅れているとも思えないのに、欧米の金利上昇に追随しない日本国債。

日本の景気回復は実態がなく、今後もデフレ脱却は見込めないと市場が考えているからなのか。
日銀が大量の国債購入で、人為的に金利を低め誘導しているからなのか。
ちなみに、日銀のバランスシートは8月末で205兆円となり、5月の173兆円から32兆円も増加しています。

いずれにせよ、政府の過大な債務が最大のアキレス腱である日本経済にとって、せっかくの「体温計」を、日銀が自ら壊してしまったとしたら、責任は重大です。

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