NISAの株価押し上げ効果は弱い
第4四半期(10-12月)における日本株の需給を考える上で、最大のファクターは譲渡益増税前の駆け込み売りではないかと思われます。
現在、東証一部・二部合計の時価総額は約420兆円。
東証の株式分布状況調査によれば、個人による保有は22%なので、時価総額92兆円相当。
フィデリティのアンケート調査によれば、個人投資家の25%が年内に一旦売却したいと回答。
従って、23兆円の売り需要があると計算されます。
こうした売り需要は、将来の買い戻しの種でもありますが、年末に売って来年買い戻すといった典型的な行動パターンを前提とするなら、年内は売り需要だけが顕在化してしまいます。
一方、NISAの申し込みは最終的には600万口座にも達するとの観測がありますが、全員が100万円買ったとしても、年間買い需要は6兆円。
92兆円に対して6兆円は心強い援軍とも見えますが、年内の23兆円の売り需要と比べると4分の1。
今年下がっても来年はすぐに埋めるさ、とは言えないボリューム感です。
NISAに過大な期待をするような記事は、眉唾して読むべきかと思われます。
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