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October 21, 2013

リーマンショックは終わっていない

リーマンショック(金融危機)の原因は複合的ですが、個人的には、運用担当者の無責任ルールによる過剰レバレッジが最大の要因だと思っています。

ファンドマネージャー達は、他人の資金を運用する崇高な責任を負いながら、「勝てば富豪、負けてもゼロ」のローリスクハイリターン。
自分の懐がマイナスにならないのなら勝負してしまえ、という強欲心理が過剰レバレッジを産みました。

震源地のアメリカでは、金融機関を規制するボルカールールの原案が公表されて早4年。
当初は2012年7月に施行予定でしたが、2014年7月に延期された今も、具体的な目処は立っていません。

金融危機直後は、アメリカでデ・レバレッジが進みましたが、その代わりを引き受けたのが、当時は財政に余裕があった中国。
4兆元(64兆円)の景気対策を実施して世界の需要不足を救いましたが、その時から増え始めたのがシャドーバンキング。

ムーディーズの調査に依れば、シャドーバンキング全体で30兆元(480兆円)と推定されており、またゴールドマン・サックスは、「中国の不動産バブルが崩壊すると、最悪で貸倒損失が18.6兆元(約297兆円)になる」と試算しています。

仮に、中国で不動産バブルが崩壊しても、まだ資本のグローバル化が十分に進んでいない中国の特殊性から、海外への影響は限定的との見方もあります。

しかしながら、逆資産効果によって需要が急減するのは同じ。
毒饅頭が金融商品化して世界中にバラまかれていたのに比べ、中国内需に依存している実体経済がより直接的に負の影響を受けるのかもしれません。

先日ノーベル経済学賞を受賞したシラー教授も、中国の不動産市場には強い警告を発しています。

欧米人が大好きな「ビッグピクチャー」で見ると、米国で収縮したレバレッジが中国に移転された格好で、さらには米国も規制が中途半端なまま、FRBの緩和姿勢によって株価(S&P)が最高値を更新するまでに元通り。

日本では財政規律など、どこへやら。
インフレで国家債務を目減りさせるため、財務省OBが日銀の指揮を取り、日銀の独立性は事実上崩壊しました。

100年に一度の危機への反省は消え去り、何ら新しい規律が構築されないままに5年が過ぎたというのが実感です。

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