「いつかはゆかし」に金融庁のメス
既に意図的にリークされていましたが、今日正式に、証券取引等監視委員会が、アブラハム・プライベートバンク株式会社に対して行政処分の勧告を出しました。
予備知識がない方のために問題点を単純化すると、「無免許キックバック」と「誇大広告」と言えば分かりやすいかと思います。
無免許キックバックの流れを見ると、そもそも「顧客のために最もふさわしい金融商品を紹介する」という投資助言・代理業の本分とはかけ離れており、特定のファンドを顧客に紹介し、その手数料を自分が支配する別会社に貯めるという単純で悪質な仕組み。
最初からキックバックを目的とした、意図的な脱法スキームと断じて良いと思われます。
その意味では、免許を取れば解決するといったものではなく、そもそも投資助言・代理業の資格剥奪というくらいまで踏み込んで欲しかったのですが、そこを論点にすると違反の実証プロセスが長期化するので、形式的に分かりやすい違反でスピードを優先する、という判断があったものと推察します。
本ブログでは、いち早くとは言えないタイミングながら、今年の3月と5月、二回にわたって警告を発してきました。
他人のお金を預かるにも関わらず、プロとしての誠実さに欠ける組織は、一刻も早く世の中から消え去るべき。
そもそも投資の世界とは、薄汚い欲望ばかりが渦巻く世界ですから、ある程度「崇高な志」を保っていないと、すぐにズブズブと沈んで人生を棒に振ってしまうものだと思います。
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